ここが変だよ日本人。外国人が選ぶ世界の「おふくろの味」
ペリメーニ/ロシア
筆者はかつて、ロシア人を含む外国人とシェアハウスに2年ほど暮らした経験があります。そのとき同居していたロシア人たちがせっせと作っては、ビニール袋に入れて冷凍保存していた料理がペリメーニ(pelmeni)でした。
ペリメーニとは分かりやすく言うと、一口大の水餃子のような料理ですね。
ロシア人いわく、仕事に忙しいロシアのママは、大量のペリメーニを作って冷凍保存し、食べたいときに鍋に放り込んでスープの具材として家族に食べさせるのだとか。
一緒にキッチンで作った経験もありますが、日本人が餃子を親子で作る感覚に似ています。そうした料理の思い出も「おふくろの味」として記憶に残るのかもしれませんね。
ダルバート/ネパール人
次はネパール人のおふくろの味。聞くと真っ先にダルバートが挙がってきました。筆者には仕事で1カ月ほどネパールに長期滞在し、現地の人の家にお世話になった経験があります。そのとき、ほぼ毎日、毎食食べさせてもらった料理が、ダルバートでした。スープカレーのような料理ですね。
日常会話の中で「働かなければ、ダルバードが食べられない」といった現地の人の言葉を聞いた覚えもあります。ネパール人にとっては、ダルバードが食べ物全般を象徴する提喩(ていゆ)法に使われるほどなのですね。
エルテンスープ/オランダ人
ヨーロッパに暮らすオランダ人がおふくろの味として紹介してくれた料理が、エルテンスープでした。日本のみそ汁がプラスチックコップに入って売られているように、現地のスーパーマーケットで缶詰になって販売されるほど、国民に親しまれている料理なのだとか。
今回の執筆にあたって、1年ほど前にオランダのアムステルダムにある有名コンサートホールで知り合ったオランダ人の年配女性に久々にコンタクトをとって聞いてみたところ、エルテンスープを教えてくれました。
農業大国オランダらしく、エンドウ豆を中心にさまざまな野菜と肉やソーセージを煮込んだスープで、寒いオランダの冬でも、心身ともに温まる食べ物みたいですね。