9つの顔をもつ国。魅力あふれる「オーストリア」基本徹底ガイド
それぞれ特徴がある、オーストリアの9つの州
オーストリアは、国土が9つの州に分かれています。アメリカのように州によって法律が異なるほど州の権力は強くはありませんが、オーストリア国民の出身州に対する誇りはとても強いとされています。
州都は日本でも耳にしたことのある有名な街ばかり。それぞれの見どころはたくさんあるので、どの州も観光にぴったりです。オーストリアへ旅行する際は、旅のスタイルを決めて、目的にぴったりのエリアを選んでみてくださいね。
1. 首都ウィーンのあるウィーン州
「ウィーン州」は、オーストリアの東側に位置するもっとも小さな州。ウィーンの人口は約190万人で、オーストリアの全人口の約5分の1を占めている世界有数の都市です。
ウィーン州は本当に小さく、約414平方キロメートルしかありません。日本の都市でいうと長崎市や宇都宮市と同じくらいの大きさ。そんな小さな州がオーストリアの中心となっているのです。
無形遺産にも登録されているカフェ文化を堪能し、シェーンブルン宮殿の美しさを味わい、夜はオペラ座で音楽を鑑賞する…ウィーン州はそんな落ちついた大人の旅にぴったりな場所です。何日でも滞在したくなる街なので、初めてのオーストリア旅行ならウィーンに滞在するだけでも飽きることはないでしょう。
2. 素朴な田舎町を堪能するなら「ニーダーエスタライヒ州」
ウィーン州をぐるりと取り囲んでいるのが「ニーダーエスタライヒ州」です。広大な州で、豊かな自然が多く残っています。自然の中には点々と村々が存在しており、ヨーロッパの美しい田舎町を堪能できるでしょう。ウィーンからは、電車やバスで約30分ほどで到着します。
3. サウンド・オブ・ミュージックの舞台「オーバーエスタライヒ州」
ニーダーエスタライヒ州の西側にあるのが「オーバーエスタライヒ州」。ドナウ川に沿った美しい街「リンツ」を州都とするオーバーエスタライヒ州は、サウンド・オブ・ミュージックの舞台となった山や湖に恵まれた地域です。オーストリアの自然を体験できるので、ぜひ足を伸ばしてみてください。
4. ワインの産地として有名な「ブルゲンラント州」
ウィーンからニーダーエスタライヒ州を挟んで東南に広がるのが「ブルゲンランド州」。世界遺産にも登録されている美しい湖と、中世の面影を色濃く残す小さな街が多いエリアで、ワインの産地としても有名です。
オーストリアのワインはオーガニックのものが多く、力強い味わいが特徴。家族経営の小さなワイナリーも数多くありますよ。
5. 中世ヨーロッパの雰囲気抜群「シュタイアーマルク州」
世界遺産委登録されているグラーツの旧市街地があるのが「シュタイアーマルク州」。州都のグラーツはオーストリアで2番目に人口の多い街ですが、観光には程よい大きさ。古き良きヨーロッパを感じるにはぴったりなので、ぜひ訪れてほしい場所のひとつです。
6. モーツァルトのふるさと「ザルツブルグ州」
シュタイアーマルク州の西側にあるのが「ザルツブルグ州」。誰もが知っているあのモーツァルトのふるさとでもあります。ウィーンからは約2時間半ほどで到着できるので、時間がない場合は日帰り旅行にもおすすめ。モーツァルトの生家や居住地など、ゆかりがある場所をめぐる旅もとても素敵ですよね。
7. 緑に包まれながら湖畔を散歩できる「ケルンテン州」
ザルツブルグの東南に位置するのが、「ケルンテン州」です。イタリア北部とスロベニアと国境を接するとても静かな州で、湖がとても多い山岳地帯。避暑地や保養地として知られています。ゆったりと過ごしたい、きれいな空気の中豊かな自然に触れたいという方におすすめのエリアです。
8. アルプス山脈に抱かれた「チロル州」
アルプスの少女ハイジの世界を、そのまま現実にしたような美しい景色が広がるのが「チロル州」。
チロル州は2つに分かれており、北チロルはザルツブルグ州の西側に位置し、東チロルはザルツブルグ州の南側に位置しているちいさなエリアです。ピクニックやハイキングを目的とする旅や、のんびり山岳地帯で過ごしたいならこのチロル州が最適ですよ。
9. もっとも西側に位置する「フォアアールベルク州」
オーストリアの一番西側に位置するのが「フォアアールベルク州」。ドイツやスイスからのアクセスも抜群のエリアです。こちらも美しい山岳地帯が広がっており、ハイキングにぴったり。
夏の間は、ボーデン湖の湖上で行なわれるオペラがおすすめ。日本人は少なく、ヨーロッパの人々に人気のあるエリアです。