「粗品ですが」とはいわない?マナーの専門家に聞いた訪問時の作法
その3. 客室に通されたあとの振る舞い方
玄関から客室に通されたら、まず席次に注目してください。訪問先によっては客間が洋室、和室の場合、それぞれあるはずです。
和室に通されたときのマナー
「和室では、最初に出入り口に一番近い(下座)に座るといいです。その際、座布団にも座らない方が丁寧です」
ただ、訪問先の人に上座を進められたら、遠慮なく受け入れていいそう。
上座に移動し、座布団に座らずに畳の上に座ったら、手土産を自分の左脇に置き、「本日はありがとうございます」と挨拶し、(両手を畳の上に八の字に置いて)お辞儀をすると丁寧だといいます。
その上で、紙袋や風呂敷から出した手土産を自分の前に持ち出し、手土産の正面を相手に向け、「お口にあえばいいのですが」などの言葉とともに、畳の上をすべらせるように差し出せばいいみたいですね。「粗品ですが」とはいわない方が無難との話。
風呂敷や紙袋はたたんで脇に置き、手土産を渡した後に手早くしまって、忘れずに持ち帰ります。ただ、奇麗な紙袋の場合は、「お使いになりますか?」と聞いてもいいみたいですね。
座布団の座り方は、左側から入り、ひざから着地するイメージで、にじり上がります。立つ場合は、その反対。
ちなみに和室での振る舞いですが、
- ・座布団の上には立たない
- ・敷居や畳のへりを踏まない
といった点も注意したいです。それぞれ傷みやすい部分であり、家紋などが描かれている場合もあるため、失礼に当たるから。この辺り、本番だけで意識すると大変ですから、普段から意識して訓練しておきたいですね。
洋室に通されたときのマナー
洋室の客間に通された場合、出入り口に近い下座に、もしくは指示された席に向かいます。
「一礼して挨拶をした後に、立ったまま風呂敷や紙袋から手土産を出し、相手に正面を向けて差し出してください」
洋室の客間に通され、少し待たされる場合は、先に下座に座り、訪問相手が顔を出した段階で立ち上がり、挨拶をして手土産を渡すという順で進めばいいのですね。