世界遺産「麗江古城」と少数民族・ナシ族が守ってきた懐かしい街並み
華やかな都会とは異なる魅力を持つ、古都。日本にも京都や奈良に古き良き日本の町並みが残されていますが、世界にもその国の文化を色濃く残した旧市街が存在しています。
今回ご紹介するのは中国雲南省にある「麗江(れいこう)」。雲南省の西北にある小さな麗江市は、日本人にとってはなかなか馴染みのない地ですので、名前を初めて聞く人もいるでしょう。
そんな麗江は、世界遺産にも登録されている城を持ち、水路の張りめぐらされた美しい街並み、そして大自然が共存するおすすめの観光地です。
- 関連記事
- >>>世界遺産「元陽の棚田」は、少数民族が作り上げた奇跡の絶景だった
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
「麗江」は一体どこにあるのか?
お隣の国で行きやすいといえども、日本のおよそ25倍もの面積を持つ中国。比較的近い中国の街であれば、3~4時間ほどで到着できますが、麗江市はミャンマーやラオスに近い中国の奥地に位置しています。
日本からの直行便はなく、広州や成都など中国国内で飛行機を乗り継ぐのが一般的です。場合によってはトランジットで宿泊を必要とすることもあります。
日本からのルートを考えると、麗江に到着するまでに24時間以上かかることも珍しくありません。ただ、それほどの時間をかけても行く価値のある魅力あふれる街なんですよ。
麗江は情緒ある少数民族の街
標高2,400mの高地にある麗江は、大自然に囲まれた地で少数民族が暮らしているのが特徴です。中国の少数民族であるナシ族が築いた古い街は「麗江古城」と呼ばれ、ノスタルジックな街として中国国内でも人気の観光地。
街には水路が張りめぐらされ、当時の姿の木製の建物が並び、夜になると赤色の伝統的な提灯の灯りに包まれます。
ナシ族は、中国の大多数を占める漢民族とは異なる宗教や文化を持つ少数民族です。古くから高地に住み、独自の言語と文字、文化を発展させ自然崇拝を基本とする民族で、麗江にはいまも多くのナシ族の人々が住んでいます。
麗江を歩くとスカートのような民族衣装に身を包んだナシ族の人々の姿を見ることができますよ。伝統と文化、そして先祖の築いた街を守りながら暮らすナシ族の街へお邪魔させてもらいましょう。
世界遺産「麗江古城」とは?
麗江を訪れる人の多くが目的とする場所が「麗江古城」です。日本でお城といえば天高くそびえる天守閣を思い浮かべますが、中国の城とは街を取り囲む城壁のことを指します。
街を守るために築かれる城壁と、それを含む街全体を「城」と表現するのですが、麗江古城にはほかの地方で見られるような城壁は存在していません。
外部との接触を妨げる城壁がないのは、かつてこの街がシルクロードの中継地点として栄えていた歴史が影響しているとされています。
城壁の代わりにあるのは瓦屋根が特徴的な木造の民家と街の中に張り巡らされた水路です。密集して建築された6,200戸もの民家が美しい平城のように見えるので古城と呼ぶのかもしれません。