潜水艦に鳥居まで!?世界の海岸線に打ち上げられた「漂着物」4選
海岸を歩くと、いろいろな「漂着物」が見られますよね。筆者の暮らす北陸の場合、過去にはリュウグウノツカイなどの深海生物が打ち上がるケースもあります。
北陸は日本海に面しているので、韓国語や中国語の書かれたペットボトルや自動車のナンバープレート、なかには冷蔵庫のような粗大ごみが海岸に大量に漂着することも珍しくありません。
ゴミに関してはとても残念に感じますが、一方で予期せぬ漂着物は壮大な移動距離と海の深遠さが感じられるもの。そこで今回は、世界の各地の海岸に漂着した変わったものを紹介します。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
ドイツの潜水艦/イギリス
世界各地には、難破船だとか墜落した飛行機だとか、さまざまな乗り物が海岸に漂着したスポットがあります。
一部では、その光景が観光資源にもなっていますが、同じ乗り物でも1919(大正8)年にイギリスの海岸には、ドイツの潜水艦「ユーボート」が漂着した記録が残っています。
ユーボートはウーボートともいわれ、ドイツ語「unterseeboot」が由来です。
<第一次・第二次世界大戦に使用したドイツの潜水艦>(岩波書店『広辞苑』より引用)
いまでこそ有名ですが、ユーボートは当時、敵国の海上艦隊に抵抗し、敗戦寸前までイギリスを追い込んだとされる存在でした。しかし、姿の見えない、誰も目にした経験のない恐ろしい存在でもあったそうです。
その後、第一次世界大戦の末期である1919(大正8)年、ドーバー海峡に面したイギリスの美しい港町・ヘイスティングズのビーチに住人を驚かせる漂着物が打ち上がります。
まさに、潜水艦がまるごと打ち上がっていると、朝になって地元の住人が発見したのですね。
瞬く間に人が集まり、潜水艦の艦体に上って記念撮影をする人や、潜水艦の一部を自分のお土産に持ち帰る人などでビーチはにぎわいました。その写真はいまもいくつか残っています。
なかには、艦内に入った人もいましたが、ガスが充満していたため深刻な病気になったケースもあったそう。意図して毒ガスが充満していたというわけではなく、バッテリーが故障し、有毒なガスが艦内に充満してしまったみたいですね。
同年の終わりごろまでに段階的に潜水艦は破損していき、最終的にはフランスに持ち込まれスクラップにされたとの情報もあります。確かに、聞けば一緒に写真を撮りたくなる、一大ニュースだったと予想できますね。