年越しはセクシーな下着で!?世界の変わった「大みそか」の風習
日本の大みそかといえば「年越しそば」を食べたり「紅白歌合戦」を観たり、なんとなく定番の過ごし方がありますが、外国人の視点からすると、その風習は大変風変わりに見える様子。
一方、世界各地の大みそかの過ごし方も、日本人からみれば一風変わった風習がたくさんあります。
たとえば、南米各国で伝わる大みそかの風習に「下着」の色選びがあります。
アルゼンチンでは、ピンク色の下着を大みそかに履くと、次の年に素敵な恋が訪れると信じられており、ボリビアでは、明るい黄色の下着が幸運を呼び込むと考えられているそう。
一方ブラジルでは、白い衣類にカラフルな下着の組み合わせで大みそかの儀式をおこなうと、幸運になると信じられています。たとえば赤色の下着は恋愛成就、黄色はお金を呼び込むとされ、なかには各色の下着を重ね履きするツワモノもいるようです。
メキシコでは、赤と黄色以外に緑と白にも意味が込められています。赤色は愛や情熱、黄色は繁栄や幸福、緑が健康、白が希望や平和といった感じ。
いずれも、色のイメージとキーワードがマッチしています。そう考えると意外に効果がありそうですよね。
では、ほかの国にはどんな風習があるのでしょうか。続いては「チリ」の大みそかの風習をご紹介していきます。
亡くなった家族や親族の「お墓」で過ごす/チリ
「チリ」は、南米の太平洋側にある南北に長い国で、国土の中心ぐらいに首都サンティアゴがあります。そのサンティアゴから南に向かうとタルカという街があります。
タルカに住む人たちは、なんと大みそかの晩に、亡くなった家族や親族の「お墓」で過ごすのだとか。
この風習が始まったとされるのは、1995(平成7)年頃。
大みそかの晩に、ある家族が、”亡くなったばかりの父親と一緒に過ごしたい”と門が閉じられた墓へ忍び込みました。これはれっきとした不法侵入にあたりますが、地元の当局はこの一件をとがめず、むしろ推奨すべき話として解釈したのだとか。
それから大みそかにはお墓の敷地内の門が開かれるようになり、今では5,000世帯ほどが同様のならわしを続けるまでになったそう。
「大みそかの晩にお墓で過ごすのは寒くない?」と思うかもしれませんが、チリがあるのは南半球。首都のサンティアゴの気温は日中30℃ほどまで上がります。日本と季節は反対で夏の夜なので、そのままずっと屋外で夜を過ごす人もいるみたいですね。
年末年始ではありませんが、沖縄でも「清明祭(シーミー)」と呼ばれる同様の風習があります。
清明(せいめい)は太陽の動きに合わせて1年を24等分して決められる「二十四節気」のひとつで、春分と穀雨と呼ばれる時期の中間、清明の節気に「清明祭」を催します。
沖縄のお墓は、亀甲墓や破風墓をはじめ地域特有の大きなお墓を造るのが特徴。お墓に親族が集まり、重箱を並べ、ごちそうを食べながらともに過ごします。
地球の反対側の地域で似たような風習があるなんて、興味深いですね。
ベッドの下にジャガイモを投げ入れる/コロンビア
続いても、同じく南米「コロンビア」の伝統です。コロンビアは南米大陸の北部にあり、チリから見れば、ペルーを挟んでさらに北にある国です。
このコロンビアでは、大みそかにジャガイモを3つ用意します。1つは全部の皮を剥き、1つは半分だけ皮を剥き、最後の1個は皮を剥かずにそのままにします。
それらのジャガイモをベッドの下に投げ入れたら、ジャガイモに目を向けないまま、ベッドの下に手を入れて、ジャガイモを1つ取り出します。ある種のおみくじですね。
皮をすべて剥いたジャガイモを引き当てた人は、翌年の金運が最悪、半分皮を剥いたジャガイモの場合は金運がそこそこ、皮をむいていないジャガイモを手に取った人は、最高の金運が翌年に訪れると解釈するそう。
執筆にあたって、実際に試してみましたが、なんとなく手触りで違いがわかってしまいました。実際には、何か工夫を施すのかもしれませんね。