年越しはセクシーな下着で!?世界の変わった「大みそか」の風習
「クランセカーケ」を食べる/デンマーク・ノルウェー
次は、北欧の伝統を紹介します。デンマークやノルウェーで見られる光景として、ドーナツ型ケーキをタワーのように積み上げ、大みそかや結婚式、誕生日に食べる風習です。
このケーキは「クランセカーケ」と呼ばれ、意味は「花輪のケーキ」になります。
粉末にしたアーモンドに砂糖、卵白などを混ぜ込んで、ペースト状にした製菓材料を「マジパン」といいますが、そのマジパンで、複数の円が描かれた設計図をもとに、リースのような大小の輪っかをつくります。
異なるサイズのマジパンを一斉に焼き、室温で1時間ほど置いた後に、粉糖を使ったアイシングで模様を描きます。さらにドーナツ状のケーキの底面にチョコレートを塗り、積み重ねて完成させるのですね。
同様の食べ方は、デンマークとスカゲラク海峡を挟んで隣り合うノルウェーでも親しまれています。ノルウェーの場合はクランセカーケに、スカンディナビアクロスの入った国旗をお子さまランチみたいに刺して飾るスタイルが一般的なようです。
「パン」で自宅のドアや壁をたたく/アイルランド
ヨーロッパの「アイルランド」は、セントジョージ海峡を挟んで、イギリスと向き合う(あるいは北アイルランドと国境を共にする)島国です。このアイルランドの大みそかにも、ちょっと変わった伝統があります。
それは、自宅の壁やドアをパンでたたく風習です。
家の中をパンでたたき回り、悪い運気や邪悪な存在を追い払った上で、その空いた家の中に、幸運を招き入れる意味があるのだとか。発想としては、日本の節分で豆を撒く「鬼は外、福は内」に近いですよね。
また、次の1年もパンや食べ物に困らない年になるように祈念する意味もあるそうです。
ちなみに、大みそかに家の中で振り回すパンはクリスマス用のブレッド。アイルランドのクリスマスで食べるパンといえば「ソーダブレッド」です。イースト菌による発酵で小麦粉を膨らませるのではなく、小麦粉を重曹で膨らませた、アイルランドで生まれた独自のパンです。
このソーダブレッドは、ずっしりと重く噛み応えがあるパンとして知られています。そのパンで、家の中の壁や扉をたたいて回るのですから、さすがの悪霊も退散せざるを得ないはず。
今回は、海外諸国のちょっと変わった「大みそか」の風習についてご紹介しました。来年の幸運を祈って、真似してみるのもいいかもしれませんね。
【参考】
- 19 New Year’s Traditions From Around the World – Glamour
- 「世界各地の年越し」 – MBC南日本放送
- The people of the city of Talca, Chile spend the New Year’s Eve at the local graveyards – The Vintage News
- New Years Eve at Cemeteries in Chile – Sarsfield Memorials Liverpool
- Latino New Year’s Eve Traditions you Need to do this Year – IBA
- New Year’s Eve World Celebrations – Town of Ajax
- Why Latinos eat grapes and wear yellow underwear on New Year’s Eve – CTV NEWS
- Kransekage marzipan wreath cake – Danish Things
- アイシングを楽しもう! – 共立食品株式会社
- 7 essential Irish New Year traditions – The Irish Post
- ソーダブレッド特集vol1.〜アイルランド発祥のパン〜 – カメリヤ
- アイルランド流クリスマスは家族が集まり、絆を深くする – ippin
- This is how New Year’s Eve is celebrated around the world – Banco Bilbao Vizcaya Argentaria
- New Year’s Eve Traditions – Brazil – Little Birdies Boutique
- 9 Mexican New Year Traditions – EL JALISCO
- image by:Shutterstock.com
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