年越しはセクシーな下着で!?世界の変わった「大みそか」の風習

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2023/12/30

「クランセカーケ」を食べる/デンマーク・ノルウェー

image by:Shutterstock.com

次は、北欧の伝統を紹介します。デンマークやノルウェーで見られる光景として、ドーナツ型ケーキをタワーのように積み上げ、大みそかや結婚式、誕生日に食べる風習です。

このケーキは「クランセカーケ」と呼ばれ、意味は「花輪のケーキ」になります。

粉末にしたアーモンドに砂糖、卵白などを混ぜ込んで、ペースト状にした製菓材料を「マジパン」といいますが、そのマジパンで、複数の円が描かれた設計図をもとに、リースのような大小の輪っかをつくります。

異なるサイズのマジパンを一斉に焼き、室温で1時間ほど置いた後に、粉糖を使ったアイシングで模様を描きます。さらにドーナツ状のケーキの底面にチョコレートを塗り、積み重ねて完成させるのですね。

同様の食べ方は、デンマークとスカゲラク海峡を挟んで隣り合うノルウェーでも親しまれています。ノルウェーの場合はクランセカーケに、スカンディナビアクロスの入った国旗をお子さまランチみたいに刺して飾るスタイルが一般的なようです。

「パン」で自宅のドアや壁をたたく/アイルランド

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ヨーロッパの「アイルランド」は、セントジョージ海峡を挟んで、イギリスと向き合う(あるいは北アイルランドと国境を共にする)島国です。このアイルランドの大みそかにも、ちょっと変わった伝統があります。

それは、自宅の壁やドアをパンでたたく風習です。

家の中をパンでたたき回り、悪い運気や邪悪な存在を追い払った上で、その空いた家の中に、幸運を招き入れる意味があるのだとか。発想としては、日本の節分で豆を撒く「鬼は外、福は内」に近いですよね。

また、次の1年もパンや食べ物に困らない年になるように祈念する意味もあるそうです。


ちなみに、大みそかに家の中で振り回すパンはクリスマス用のブレッド。アイルランドのクリスマスで食べるパンといえば「ソーダブレッド」です。イースト菌による発酵で小麦粉を膨らませるのではなく、小麦粉を重曹で膨らませた、アイルランドで生まれた独自のパンです。

このソーダブレッドは、ずっしりと重く噛み応えがあるパンとして知られています。そのパンで、家の中の壁や扉をたたいて回るのですから、さすがの悪霊も退散せざるを得ないはず。

今回は、海外諸国のちょっと変わった「大みそか」の風習についてご紹介しました。来年の幸運を祈って、真似してみるのもいいかもしれませんね。

【参考】

 

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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