江戸から続く、宝くじの当選祈願で有名な「福徳神社」の数奇な運命

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2017/06/21

日本橋といえば、高層ビルが立ち並ぶエリアですよね。しかし、そんな都心のど真ん中に神社があることはご存知でしょうか?ビルとビルの隙間に存在するその神社の名前は「福徳神社」。

2014年に新築されたばかりの神社で、多くの参拝者で賑わっています。しかし、実は鎮座は1000年以上前で歴史ある神社なのだとか…今回は実際に現地を訪れて神社の歴史を調べてみました。

実は歴史は深い?日本橋の『福徳神社』

COREDO室町2前

今春、日本橋のマンダリンオリエンタルホテルからの帰り、ビルに挟まれたそこだけ趣の異なるオーラを発している路地を見つけた。「新浮世小路(しんうきよしょうじ)」と書いてあります。 なんだか、気になる〜(呼ばれてる〜!?)

COREDO室町の桜を模した装飾

両側に古い石碑のようなものがポツポツと置かれている路地を抜けると、『コレド室町 2』 の前に、新しめの朱の鳥居がドーンとそびえているのが見えた。

浮世小路を抜けると見えたCOREDO室町前の風景

え、こんなところに神社が!

新浮世小路

鳥居

そう、これが「日本橋室町東地区開発計画」で 2014 年に新築された「福徳神社」です

おみくじ

境内には桜と梅の季節ゆえ、薄いピンクと濃いピンクの華やかな花々。女性が喜びそう。

社殿前はお決まりの狛犬ではなく、お狐様が両側に。

社殿

主祭神がお稲荷様としても親しまれている、倉稲魂神(うかのみたまのみこと) なので、お狐様なのですね。


この神社が建造されたのは明らかではないけれど、9世紀中頃には鎮座し、当時 は福徳村の稲荷神社として祀られていたそうです。とくに武将から篤く信仰され、11 世紀には源義家朝臣が崇敬。そして戦国時代には太田道灌が(江戸時代前に合祀)。徳川幕府開闢前の徳川家康も数度にわたって参詣し、江戸時代にこちらに祀られています。

その家康の息子であり二代将軍秀忠公も「福徳とはまことにめでたい神号だ」と褒められたとか。この神社の別名が「芽吹(めぶき)稲荷」というのは、秀忠公がクヌギの木の鳥居に若芽が出ていたのをご覧になり、そう名付けられたのが由来。

さて、この神社は宝くじの当選祈願ができるスポットでもあります。 この台に宝くじを置いて鈴を使ってお祓いし当選を念じることができます

宝くじを置く台とお祓いの鈴

なぜ、この神社が宝くじに関わっているの?と思われるでしょう。それは、この神社は江戸庶民から人気を博した「富籤(とみくじ)の発行」を江戸幕府から許されていたから。

ちなみに富籤興行の最盛期は化政期(1804ー1830)で、多いときは江戸だけで 31 ヶ所で発行。月に 20 回以上行われていたそうです。

興行主が数万枚の富札(とみふだ)を発行し、それと同じ番号札を富箱に入れ、 キリで突き刺した札が当たり。そう、富籤は宝くじの祖先なわけです。

富籤は一攫千金を狙う庶民のニーズと、寺社にとっても幕府の財政が当てにな らないゆえ、売上金が再建・改修費にあてられるわけで(これを「御免富」とい う)、両者にとってメリットがあったわけです。

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