福井にある「時間のものさし」へ。7万年の歴史が眠る「水月湖の年鎬」

Array
2020/05/26

「世界の時間の基準」といわれたら、何を思い浮かべますか?おそらく、イギリスのロンドン近郊にある世界の時間を決めた「グリニッジ天文台」だと思います。

しかし、もうひとつの時間の基準が、福井県内の湖の底にあるといわれたら、どうでしょうか。今回は福井県の三方五湖(みかたごこ)のひとつ、水月湖の底にある7万年分の時間の「ものさし」を紹介します。

「世界の時間の基準」が福井県で見つかった

三方五湖 image by:Masayoshi Sakamoto

福井県の南部(嶺南)、若狭湾に面した場所に、三方五湖と呼ばれる湖があります。読み方もユニークですが、成り立ちもユニーク。

「5つの湖」と書かれているように、山と海の境に大小5つの湖(日向湖、久々子湖、水月湖、菅湖、三方湖)が隣接し、それぞれが細い水路のような川で連結しながら(5個のうち日向湖だけは独立)、全体でひとつの湖を成しています。

5つの湖のうち、独立して海とつながった「日向(ひるが)湖」は、最も塩分濃度の高い塩水湖。

海岸線に触れ合うくらい海に近い「久々子(くぐし)湖」は汽水湖で、その汽水湖と水路のような浦見川で連結した「水月(すいげつ)湖」は、表面が淡水、湖底が海水です。

その湖から奥まった位置にある「菅(すが)湖」も汽水湖、海から見て最も奥にある「三方(みかた)湖」は、いくつかの川から水が流れ込んでいるため淡水湖です。

三方五湖 image by:Masayoshi Sakamoto

今回の注目は、5つの湖のなかでも位置的に真ん中にある最大の湖、水月湖です。

この湖の底には、約7万年前までの地層が奇麗なしま模様で途切れずに連なっていて、この地層が世界の時間の基準になっているのですね。


いま読まれてます
 石川 「木漏れ日」のなかで本を愛でる。美しい光が差し込む「金沢海みらい図書館」 ★ 204
 福井 25年間評価され続ける、福井県民が愛する鉄板土産の「せんべい」 ★ 93
 石川 イルカの泳ぐ海を目の前に。能登で楽しむ「手ぶら浜焼き」のススメ ★ 265
 中部 かわいいが最強。ネコ愛あふれるパワースポット、福井「御誕生寺」 ★ 131
 石川 マスター、いつもの。地元民も外国人も通いつめる「和酒BAR縁がわ」 ★ 84
エアトリ 100%、ピュアです。初体験が詰まった「ニュージーランド旅」が最高な理由
福井にある「時間のものさし」へ。7万年の歴史が眠る「水月湖の年鎬」
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
TRiP EDiTORの最新情報をお届け
TRiPEDiTORオフィシャルメルマガ登録
TRiP EDiTORの最新記事が水・土で届きます