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コロナ明けの旅行先リストに。7万年の歴史が眠る、福井「水月湖の年鎬」

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2020/05/26

世界でも類を見ない「データブック」が水月湖で見つかった理由とは?

長さ45mの年縞が展示されている年縞博物館の館内 image by:福井県観光連盟

水月湖の湖底に積み重なる土の層が、世界でも類を見ないくらい正確な年代測定の手がかりになっているという話をしました。しかし、ひとつの疑問が浮かびます。

なんで世界のどこでもない、福井県の水月湖の湖底で、そのような貴重な年縞が見つかったのでしょうか?

その理由は、三方五湖の特殊な地形が影響しているから。

まず、規則正しく土が積み重なっていくためには、水流が穏やかでなくてはいけません。その点、冒頭でも書いたように、水月湖には直接流れ込む大きな川がなく、大雨などの影響を受けません。

さらに水月湖は山に囲まれています。強い風が吹いても山がさえぎるため、湖の水がかき回されにくくなっています。

それでいて湖の表面は淡水で、底は海水になっています。湖底近くの海水は流れが静かで、ほとんど入れ替えがありません。

酸素が供給されず、無酸素状態になっています。言い方を変えれば、生き物が暮らせない環境。水生生物が存在しないため、生き物が湖底をかき回す心配もなく、湖の底に奇麗な土の層ができるのですね。

三方五湖 image by:福井県観光連盟

また、水月湖の湖底が沈み続けているという点も、大きな役目を果たしています。これだけ水の流れが静かな湖に土が積み重なると、普通であれば底が浅くなり、埋まってしまいます。

しかし、水月湖の湖底は断層の影響で、沈み続けています。どれだけ土がたまっても底が沈むため、深いままに保たれているのですね。


  1. 川がない
  2. 山が風をさえぎってくれる
  3. 湖底近くには生命が住めない
  4. 湖底は断層の影響で沈み続けている

これらの条件が奇跡的に重なって、7万年に及ぶ土の層が、湖底に見事に出来上がっています。

年縞博物館 image by:福井県観光連盟

新型コロナウイルス感染症の拡大が終息し、お出かけできる状態になったら、この年縞の実物を見に出かけてみませんか? 

長さ約45mに及ぶ実物の年縞が、三方五湖の湖畔にある「福井県年縞博物館」に展示されています。

実は旅人にも極めて評価の高い(2020年4月16日時点でGoogleレビューが253件集まり、5つ星満点で4.4星)博物館で、特に外国人観光客の評価が目立ちます。

三方五湖には「レインボーライン」と呼ばれる有料の自動車道路もあるため、絶景のドライブコースも湖畔に続いています。近年は、レインボーラインの途中にある山頂公園の整備が進み、ガラス張りの展望施設やカフェ、足湯などが次々と誕生しました。もちろん山頂公園からは、水月湖を一望できるようになっています。

いろいろ楽しめるポイントがそろっていますから、「コロナ明け」の旅行先のリストに、いまから入れてみてくださいね。

レインボーライン山頂公園の足湯 image by:福井県観光連盟

翻訳家/ライター。1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の紙媒体、WEB媒体に日本語と英語で執筆する。 主な訳書に『クールジャパン一般常識』(クールジャパン講師会)。

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