「僕」が下品な意味に…海外で日本人が言っちゃいそうな「NGワード」
マニアック/トルコ語
皆さんのなかにはバイクだったり、車だったり、スポーツだったり、ウイスキーやワインだったり、ジャズだったりと、何かの分野にとことんのめり込んで、趣味の世界を深めているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな趣味を極めている人が誰かに「この人は、ウイスキーマニアだよ」といわれたら、むしろ褒め言葉のように思えますよね。
しかし、トルコではちょっと事情が違ってきます。日本語で「マニアック」はトルコ語で「Manyak」です。読み方も言葉自体も同じですが、トルコだと好意的な意味が抜け落ちて聞こえます。
例えば、トルコ旅行で知り合った相手が、日本のカメラにとても詳しかったとしましょう。
あまりに立派な知識を持っているので、褒め言葉の意味で「(日本製カメラの)マニアだなあ」と笑ってつぶやいたとしましょう。「マニアック~!」などと驚く場合もあるかもしれません。
この表現、英語ではオッケーです。英英辞典『Macmillan English Dictionary』で「mania」を調べても、何かに熱中している状態(an extremely strong enthusiasm for something)を表現する言葉としても使われていると分かります。
しかし、トルコでは要注意です。好意的な意味はなく「精神の異常者」といった、とても失礼な意味で伝わってしまう恐れがあるのです。
そもそもこの「マニア(mania)」という言葉、どのような歴史があるのでしょうか。語源辞典で語源を調べてみると、英語では14世紀後半にラテン語とギリシャ語から取り入れたと書かれています。
ラテン語とギリシャ語の「mania」の語源については、正確には分かっていないそう。それでも意味は「狂気」「狂った情熱」「逆上」「取り乱し」といった感じで共通しています。
トルコは地理的に、お隣のギリシャと密接な関係があります。ギリシャ語からの借用も多いそうですから、ギリシャ語から「マニア」「マニアック」という言葉を輸入したのかもしれません。
当然、トルコではオリジナルの意味、言い換えればネガティブな言葉として「manyak」を理解しています。だからこそ、うかつに「マニアック」だとか「マニアですね」などの言葉を、褒め言葉として利用しない方が安全なのですね。