意外と愛知県に多い?日本全国の「地獄」がついた地名たちと由来
全国には大分県の「別府地獄めぐり」など、地獄とつく地名がいろいろとありますよね。他県民から見聞きすると、読み方が珍しかったり字面が珍しかったり、地名なのに「地獄!?」とちょっと驚いてしまうことも。
今回は、そんな全国の「地獄」という地名に注目して、一体どんな場所なのか写真と混えてご紹介したいと思います。
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蟹が地獄/鹿児島県
そもそも「地獄」と名前が付く地名は、全国を見回すと意外に多くあります。この「地獄」を辞書で調べると、以下のような意味も持つそう。
<火山・温泉地などで、絶えず煙や熱湯がふき出している所>(岩波書店『広辞苑』より引用)
例えば、温泉に入るニホンザルがいることで世界的にも知名度のある「地獄谷野猿公苑」などの「地獄谷」と呼ばれる場所は、山岳地帯や温泉地などに案外、共通して見かけますよね。
ただ、同じ地獄でも、例えば鹿児島県南九州市には「蟹が地獄」と呼ばれる場所があります。南九州市とは薩摩半島の南、枕崎市と指宿市の間にある自治体です。お茶の産地として有名な知覧のある場所ですね。
その南九州には、麓川と厚地川という川が流れていて、その川が合流する小野滝の一帯を「蟹が地獄」と呼ぶのだとか。怖いような童話に出てくる話のような、ユニークな土地の呼び名ですよね。
ちなみに南九州市によると、滝つぼの岩に体を打ち付け死んでしまうカニの死骸が秋になるとたくさん見られたために、カニにとっての地獄=蟹が地獄になったみたいです。
すずめ地獄/熊本県
カニの「地獄」があれば、スズメの「地獄」もあります。熊本県の北部で、阿蘇くじゅう国立公園のすぐ近く、大分県との県境にある南小国町には「すずめ地獄」と呼ばれる場所があります。
別府の扇状地からくじゅう連山を経て、阿蘇山、長崎県の島原半島にある雲仙岳など、九州を斜めに横切る感じで火山帯が連なっています。南小国の「すずめ地獄」もそんな火山帯の一角に位置していて、亜硫酸ガスが噴き出す冷泉地帯があるそうです。
亜硫酸ガスとは、
<二酸化硫黄。無色で刺激臭のある有毒気体。水に溶け,亜硫酸をつくる>(平凡社『百科事典マイペディア』より引用)
<二酸化硫黄の気体。刺激臭があり、有毒。火山ガスや石油・石炭中の硫黄酸化物の燃焼によって生じ、酸性雨や湖沼の酸性化の原因となる>(小学館『大辞泉』より引用)
などと辞書や百科事典には書かれています。要するに有毒ガス。この有毒ガスによって、スズメなどの小鳥、タヌキなどの小動物が亡くなってしまうため「すずめ地獄」と名付けられたみたいですね。