謎に包まれた「未開の地」は、まだこんなにたくさん残っているらしい【世界の不思議】
タンルウィン川/ミャンマー
続いては、ミャンマーにある未開の地を紹介します。ミャンマーは、東南アジアの大陸部の西にある連邦国家。かつて「ビルマ」と呼ばれていました。
そのミャンマーにある、東南アジアで最も大きな川のひとつが「タンルウィン川(サルウィン川)」です。地図で見ると、その長大さがわかります。
全長は、2,400kmとも2,800kmともいわれるほど。中国のチベット東部に源流を持ち、ミャンマーを経て、タイとの国境沿いを通過し、マルタバン湾に至る長大な流れです。このうちミャンマーの国土を通る部分は1,000kmほどになるといいます。
<急流が多く,流域は未開発の資源地帯をなす>(平凡社『百科事典 マイペディア』より引用)
との記述も日本の百科事典に見られます。川の中国部分は「怒江」と呼ばれるくらいの急流みたいで、かなりの高低差を流れ下ります。
約28万3500平方キロメートルにも及ぶ流域には、およそ1000万人近くの人が暮らしている(中国側に380万人、ミャンマー側に610万人、タイ側に60万人)と、オーストラリア外務貿易省も部分的に設立にかかわった調査機関の調査で分かっているみたいです。
これら住人は、バラエティー豊かな少数民族から成っていて、主な食糧源である川の生態系についても、年間でどれだけ漁獲があるのかも、ほとんど分かっていないのだとか。
そのためまだ発見していない何かが見つかるかもしれない「未開の地」ともされているみたいですね。
ただ、この豊かな急流を使ったダム開発が、中国側でもミャンマー側でも進んできました。流域の生態系を激変させ、流域で暮らす人たちの暮らしを脅かすとして、激しい反対運動に遭いながらも、開発が進んできました。
前のページで紹介したブラジルの先住民の居住地域と同じく、経済開発の波が、地球上のあらゆる「未開の地」に影響を及ぼしているのですね。