実は外国人に大人気。村の住民よりもカカシが多い徳島の限界集落とは?

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2023/04/14

限界集落と聞くと、どのようなイメージがありますか?豊かな自然や温かいコミュニティを連想したり、一方で人口の少なさを想像するかもしれません。

実は、そんな人口の少ない小さな村や島では、意外と知られていない個性的な特徴を持つ場所があります。

例えば、徳島県には人口よりかかしの数が多い村があったり、世界には謎に包まれた人形だらけの島があったり。その土地ならではの個性を生かして、観光資源に活用している場所もあるんですよ。

祖谷かかし村/徳島県

image by:photoAC

最初は、徳島県にある村から。同県の西部には、祖谷渓などが代表されるように、自然豊かなエリアが広がっています。剣山国定公園があり、周辺では古くから林業が盛んでした。

紹介する名頃(なごろ)地区は、その徳島県西部の山中にあり、住所としては三好市東祖谷(ひがしいや)になります。

「名頃ダム」というダムの建設時には、仕事を求めて多くの労働者が集まったみたいですが、現代は過疎化が進み、2012(平成24)年には小学校も廃止となって、高齢世帯のみが暮らす場所となってしまいました。

その名頃で生まれた綾野月美さんが、2002(平成14)年に大阪から帰郷し、過疎化の進んだ村で等身大の人形風のかかし製作を2003(平成15)年にスタートしました。最初は、畑仕事を邪魔する野鳥対策でつくり始めたのだとか。

image by:photoAC

初号のかかしは、住人が一緒に暮らす父親に似せてつくったそうです。

そのかかしを見た住人が父親と勘違いし、話し掛ける姿を面白く感じた綾野さんが制作を続けると、次第に住人の数を超えるかかしが村中に存在するようになります。


その過程では、「祖谷かかし村」の看板が地区の入り口に設置され、地区の集会所が「かかし作り工房」となり、かかしが70体程度に増えた段階で「かかし基本台帳」も作成されました。

image by:photoAC

2017(平成29)年の段階で地区の人口が29人に対して約230体、2019(平成31)年に投稿された『South China Morning Post』の動画では人口27人に対して約270体、三好市公式観光サイトでは現在300体以上のかかしが存在するとされています。

この村の状況は世界にも次第に知られるようになり、世界各国から人が訪れるようになったのだとか。たったひとりで始めたかかしづくりがきっかけで、いまでは世界から人を呼ぶ個性あふれる村になっていったのですね。

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