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クリスマスケーキの元祖は「十二夜のケーキ」だった
クリスマスケーキの元祖とも言われる、最初に誕生したクリスマスケーキはどのような食べ物だったのでしょうか。
『世界大百科』(平凡社)によると、クリスマスケーキは、イギリスの「十二夜のケーキ」を起源とすると書かれています。英語にすると「Twelfth night cake」です。
十二夜のケーキ
そもそも「十二夜」とは、クリスマスから数えて12日目にあたる日のお祝いで、東方の三賢者が星をみて、イエス・キリストの誕生を知り、イエスの下へ訪れるまで、12日という日数を費やして贈り物を捧げた日とされています。
もともと、クリスマス当日よりも、この十二夜の方が盛大にお祝いされていたのです。
イギリスの中世は、12世紀後半から16世紀とされます。その中世にプラスして、15世紀〜17世紀まで続いたテューダー朝くらいまで、ドライフルーツ入りの菓子パン(ブリオッシュ)みたいな菓子を食べていたそう。
16世紀ごろからはドライフルーツ、ナッツ、砂糖などと小麦粉を混ぜ、型に入れて蒸し焼きにし、食べる当日にもう一度蒸したクリスマスプディング(プラム・プディング)を豊かな人たちが食べるようになります。
そのプラム・プディングの中に乾燥させたインゲン豆とエンドウ豆を1粒ずつ入れ、十二夜の余興で切り分け、豆の入ったケーキを引き当てた人が、王様や女王様になれるゲームも楽しまれたみたいです。
ビクトリア女王の治世時代である1837年〜1901年ごろ、クリスマスカードが普及し、クリスマスのお祝いが盛んになって、十二夜に食べるケーキが、クリスマスに食べるケーキへと移っていったのだとか。