外国人にじわりと人気。知るひとぞ知るニッポンの「古民家ステイ」
政府が力を入れる兵庫県と長崎県の古民家
全国各地で使われなくなった古い建物を再生させようと、国も「古民家」の再生に力を入れ始めました。その背景には近年、都市部への一極集中や高齢化などの影響により、地方の空き家問題が深刻化があります。
2013年には空き家の件数は約820万棟と発表されていますが、2033年には2,150万戸に増えるとの見方もあります。
このような背景があり、政府が推し進めているのが「歴史的資源を活用した観光まちづくり」です。
このプロジェクトのなかでも古民家をつかった町おこしで再生した町に注目しました。それは兵庫県篠山と集落丸山、長崎県小値賀町の3つ。
篠山城下町ホテル NIPPONIA/兵庫県
篠山城を中心とした城下町には、町屋や武家屋敷などの歴史的建築物が多く残っていましたが、人口減少にともない、その多くが空き家となり、取り壊され始めました。
昼間に立ち寄る観光客は多いものの、観光客の宿泊率も5%未満に低迷。
重要伝統的建造物群保存地区の河原町の街並みや豊かな農産物などがある町の魅力を十分に伝えきれていない状態でした。
そんななか歴史的な街並みを守ろうと、政府の取り組みとして、2009年ごろから城下町の空き家を活用する動きが始まりました。そして、2015年10月に地域観光活性化ファンドを活用して、開業したのが「篠山城下町ホテル NIPPONIA」です。
この古民家ホテルのコンセプトは「篠山城の城下町全体がひとつのホテル」。
城下町全体をひとつのホテルと見立て、築100年以上の古民家を含んだ5つの宿泊棟が町に点在する宿泊施設なのです。
きれいにリノベーションされていますが、古民家の良さはそのまま残されています。
観光庁によると、ホテルの初年度の宿泊者数は1,800人で、いまも宿泊者の口コミなどで評判が高く、来場者数は順調に伸びています。現在は日本人の旅行者がほとんどだそうですが、今後はインバウンドの誘客にも取り込んでいく予定なのだとか。
- 篠山城下町ホテル NIPPONIA
- 兵庫県篠山市西町 西町25 ONAE棟
- 0120-210-289(NIPPONIA総合窓口)
- https://www.sasayamastay.jp/
集落丸山/兵庫県
「集落丸山」は、篠山城下町の北に位置する最奧の集落です。
観光庁に問い合わせてみたところ、かつては12戸のうち7戸が空き家という、限界集落でした。
こんな状況のなか、残った5世帯がNPO法人集落丸山を結成し、美しい村の古民家と自然環境が失われよう再生に向けて動き出したのがすべての始まりです。
2009年ごろに一棟貸し宿泊施設3棟とフレンチレストランを開業。そして利用者も徐々に増え始めコミュニティビジネスとして運営も順調です。
こちらの古民家は築150年の古民家を新しく改修・改築した宿です。のどかな農村地帯にあるこちらの古民家はゆっくりと過ごせる場所として人気です。
開業してから、実際にどのような変化があったのでしょうか。
「民家を改修活用することで、事業が生まれ、また事業者さんのオーナーやスタッフが移住や通勤されるので、現実的に移住が促進されていきます。家族で移住されるケースもあるので、子どもの数が増えていたり、
と、集落丸を運営する一般社団法人ノオトの玉垣さんは移住者の促進につながったと話してます。
「観光については、私どもは大量に押し寄せる消費の観光は目指しておりません。個人やグループがゆっくりと滞在し、その地の食や文化、
外国人の人気もある古民家ですが、インバウンドも視野に入れているようです。
「弊社のような中間支援組織なしでも自走していけるよう体制が整えられたらと思っています。もちろん、
集落丸山には、農業体験や料理教室、陶芸体験、城下町の散策などのアクティビティもあるので、アクティブに過ごしたい方も満足できますね。
- 集落丸山
- 兵庫県篠山市丸山30
- 0120-210-289(NIPPONIA総合窓口)
- http://maruyama-v.jp/