世界に一つだけ。下町・蔵前で自分だけの「オーダーノート」作り
試し書きもできるから使うときを想像できる
中紙はバンクペーパー、フールス紙、コミック紙、クラフト紙など常時約30種類以上あります。個人的にこだわりがあり、オニオンスキンやトレーシングペーパーのような、儚(はかな)いタイプの紙に決めていました。
希望を牧野さんに伝えると「では、トモエリバーなんていかがですか?」と提案してくださり、実際に試し書きしてみることに。
サンプルは約15種類。こちらの台で好みの紙に試し書きをして、選ぶことができます。
置かれている台でトモエリバーとご対面。軽くて薄い。私の望み通り、儚さが宿っているような気がしました。
試し書きすると、紙が重くなく、普段愛用しているペンのすべりもいい感じ。軽くて薄い紙は筆圧が下の用紙にかかることを気になってしまうかもしれませんが、下敷を付けてもらえるので安心です。ちなみに今回選んだトモエリバーは、人気の手帳「ほぼ日手帳」にも使われているそう。
トモエリバー(ドット柄と方眼)、コミック紙(マンガ雑誌に使われている紙)、クラフト紙の4つをピックアップ。ちなみにカレンダーがプリントされている紙も選べるので、スケジュール帳として作る人も多いそうですよ。
そして、リング(5カラー)や留め具(封緘、ゴム、ボタンの3タイプ)も好みのものを選びます。私は金色のリングにオレンジ色のゴム留めをチョイス。
その後、中紙の順番を決め、角金の有無を決めてオーダーが完了します。選んだものがすべてオーダー用紙に書きこまれていくのを見るのもココロ躍る時間です。
そして、カウンターの中で製本作業へ。完成までに、だいたい20〜30分を要するとのことですが、お店の近くには喫茶店もあるのでコーヒーを飲んで待つこともできます。
最初は表紙に通すリングの穴開けから。「この作業が一番を注意を払います」と、牧野さんは慎重に製本機のレバーを下ろします。
「自分の目と手の感覚を大切にしています。1冊1冊に気持ちをこめる作業ですから」と、心を込めて製本してくれました。
中紙にもリング用の穴が開けられ、選んだゴム留めも取り付けられ、最後に表紙の角を保護するための「角金」がペンチでしっかり締められると、完成!
出来上がったオーダーノートを受け取った時は、もう天にも舞い上がらんばかり高揚感に満ちました!
オーダーノートは海外のメディアにも紹介されたこともあり、ヨーロッパやアジア各国の人たちも訪れています。日本でこんなステキな体験が出来る場所があるってことは自慢ですね。最後に、丹念にお仕事をされる牧野さんに印象に残っているお客さんについて尋ねてみました。
「イギリス旅行のためのトラベルノートを作りに来られたお客様がいらっしゃいました。一緒に紙を選んだのですが、旅先での出来事をつづるための紙やスケッチ用の画用紙や写真を挟めるアルバム台紙など、旅先での楽しみを想像しながら選ばれていて…。こんなふうにお客様と接することで、色々なヒントをいただくことが多いですね」
ちなみにノートの中紙の断裁や表紙の加工などは近所の職人さんたちにお願いしているとか。街と人が影響しあって生み出されるクリエイションを感じますね。
ちなみにオーダーノートが出来上がってから、会う人会う人に見せては自慢しています。初めて作ったというのにもう2冊目のノート作りについて想いを馳せたり。みなさんも自分だけのオリジナルのノートを作ってみてはいかがですか?
- カキモリ
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- image by:御田けいこ
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