中華テーブル、実は日本発祥。日本人の「おもてなし心」が生んだ発明品

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2020/11/01

荷物に合わせた梱包(こんぽう)資材

筆者が以前引っ越しを業者にお願いしたとき、荷物に合わせてオリジナルの梱包(こんぽう)資材がいくつも使われている点に感心させられた覚えがあります。

「すごいですね」と担当のスタッフに聞いてみると、顧客の大切な荷物を、安全に素早く効率的に運ぶための企業努力だといっていました。

image by:Shutterstock.com

 

小笠原敬承斎著『ニッポンのおもてなし 第1巻 買う・利用する』にも、アート引越センターの梱包材が紹介されており、衣類、テレビ、食器など家財に合わせて専用の梱包材が開発されていると書かれています。

アート引越センターの公式ホームページを見ると、同社は2008年に業界初で割れ物を効率的に運ぶ「エコ楽ボックス」を開発しているとかで、翌年にはシューズケース、2010年にはテレビケースなどを次々と開発。

image by:アートコーポレーション

いまでも諸外国では引っ越しとなると、宮崎駿監督の『となりのトトロ』のオープニングシーンみたいに、トラックを借りて自分たちで荷物を運ぶ光景が一般的ですよね。

極端な話、引っ越し業者が存在しない国もあります。そう考えると、アート引越センターが業界初で開発した梱包資材は、世界初の快挙と言えるのかもしれません

その点をアート引越センターに問い合わせて見ると、

「全てを調査したわけではありませんが、いまのところは(他の国に)ないのではないかと思います。食器を入れられる反復資材という意味では数多くあると思いますが 、当社のエコ楽ボックスのような形式のものはないと思います」

という回答がありました。この「エコ楽ボックスのような形式」とは、


  • 外箱と内箱の2種類からなる
  • 内箱は仕切りの大きさを変えて数種類用意しており、コップ(大)・コップ(小)・マグカップ・小皿・中皿・大皿・どんぶり・フリーなど、さまざまな形状の食器を入れられる
  • 内箱、外箱ともに折り畳みが可能

といった特徴の数々になります。

「現在当社にて使用しているエコ楽ボックスの食器ケースやシューズ ケースは、当社が開発したオリジナル品で業界初のものであり、 類似品はありません。

これは何が業界初かというと、折り畳みができる点・ 食器のサイズに応じて多量の食器を収納できる点でございます。また、食器ケースに関しては、ここまでたくさんの点数・ 種類の食器を一度に入れられる資材は他にないと思います」

もともとは紙資材の廃棄を減らすという環境への配慮から生まれたといいますが、一方で顧客の利便性も重視し、無料で引っ越しの際にレンタル提供しているのだとか。

アート引越センターは荷物を積み込み、新居に荷物を運び込む際に、スタッフが靴下を履き替えるといったサービスも行っているのだとか。こちらも日本人のおもてなしや思いやりが表れた一例といえそうですね。

  • image by:photoAC
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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