新型コロナ下のいまだから知りたい、「温泉」の持つ力と正しい知識
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マスク着用や手洗いが当たり前になりつつあり、これまでよりさらに健康面を重視するかたも増えているのではないでしょうか。
なかでも望まない病気などの侵入を回避するための自己防衛システムである「免疫」を高めることへの注目が高まっています。食べものや運動など、一体どのようなことが免疫力アップにつながるのでしょうか。
そしてこの度、長野県・軽井沢の星野リゾートが「いまだからこそ知るべき正しい知識」について、専門家による対談コラムを公開。今回の対談では、温泉が免疫力アップに期待できること、そして自宅でできる効果的な入浴方法を教えてくれました。
- 対談者:山崎まゆみさん
- 温泉エッセイスト
- 跡見学園女子大学“観光温泉学”講師
- 対談者:大村浩一郎先生
- 温泉療法医
- 京都大学医学部附属病院 免疫・膠原病内科
三密などの注意点を守り、温泉を効果的に利用しよう
温泉エッセイストの山崎まゆみさんと温泉療法医の大村浩一郎先生により行われた今回の対談。山崎さんが問いかけたのは「新型コロナウイルスが猛威をふるういま、温泉が果たせる役割があるのか?」ということでした。
そもそも免疫力とは、ウイルスに感染した細胞を殺す細胞や、ウイルスを直接障害する抗体を指すもので「免疫担当細胞だけではなく、口腔・気道粘膜を湿潤に保ってウイルスが入ってきても自然に外に洗い流せるようにすることも、免疫力のひとつです」と伝える大村先生。
「免疫力を上げるためには規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動、ストレス解消です」と3点の項目を挙げ、「毎日の気持ち良い入浴で疲れを取ることも重要かもしれません」と加えました。
大村先生によると、「41℃前後のお湯に15~30分間入浴すると、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性が1~2日間上昇する」そう。このNK細胞は「4日くらいで低下するといわれているので、継続することがポイント」とのこと。
さらに「新型コロナウイルス予防に対しても良い方向に働く可能性がある」といい、「温泉に入ることでNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性が上がるというデータがあり、ウイルス自体は温泉のなかで生きることはできません」と、温泉の効力を語りました。
ちなみに、温泉の泉質のなかでも「塩化物泉、硫酸塩泉、二酸化炭素泉など保温効果の高い温泉はより効果が上がる可能性があり、酸性泉は新型コロナウイルス自体には有効です」といい、効能により一層の効果が出てくるようです。
ただし、すでに細胞のなかに入り込んでいるウイルスを温泉で殺すことはできず、温泉を飲むことに対してもあまり効果は期待できないそう。すでに風邪などに感染している場合は、他人に移さないためにも温泉施設を決して使わないようにと呼びかけています。
いま現在もなかなか遠出が叶わない状況ではありますが、自宅の入浴でもNK細胞(ナチュラルキラー細胞)活性は上がるというデータがあるそう。「付着したウイルスを洗い流す効果はいずれにおいてもしっかりあります」とのことで、リフレッシュもできる入浴で一石二鳥となりそうです。