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ソチミルコの人形島/メキシコ
続いては、国内だけでなく世界の特徴的な場所を紹介していきましょう。メキシコの首都メキシコシティの一地区である「ソチミルコの人形島」についてです。
市街地から南に約20kmには、メキシコシティー歴史地区とソチミルコの名称で世界文化遺産に登録される一帯があります。
現在でこそ、干拓によって大部分が陸地となっていますが、ソチミルコはかつて大きな湖でした。その湖に、アステカ民族が湖上都市をつくり、繁栄を謳歌していた場所ともいえるでしょう。
その湖の名残としてソチミルコ湖が残り、迷路状の運河が地区内に見られ、そのなかに人形島があります。
人形島は英語で「The Island of the Dolls」、人形に複数形の「s」が付いているように、ソチミルコ湖の一部にある人形島には、無数の人形が飾られています。
では、どうして人形がたくさん飾られているのでしょうか?
その伝説には疑義が多くあるものの、次のような話が知られています。
地元生まれのドン・ジュリアン・サンタナ・バレッラさんという人が、家族を失い、その失意のなかで世を離れるために、ソチミルコ湖上の島を購入して移り住んだそう。
ドン・ジュリアン・サンタナ・バレッラさんが島で暮らしていると、湖でおぼれた少女の遺体を発見します。その少女が持っていたと考えられる人形も流れ着きました。
そこで、少女の魂を慰めるために人形を気に掛け、さらにはひとつの人形では足りないと、およそ50年間にわたって運河や湖に流れ着く人形を集めては、木に掛け続けました。
しかし、ドン・ジュリアン・サンタナ・バレッラさん自身が2001(平成13)年に運河でおぼれて亡くなると、人形の掛かった島だけが残されます。
その不気味な島が世界で知られ、観光地にもなって観光客が新たな人形を持ち込むようになりました。このような経緯があり、人形島としての地位を確立するに至ったともいわれています。