140年前の日本の人口ランキング、1位が「石川県」だったという意外な歴史の真相

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2024/08/24

富山・福井の独立後に「大石川県」のランキングは低下

image by:yu_photo/Shutterstock.com

本当に日本一だったのか、正確に数字を確認してみましょう。

『明治大正国勢総覧』(東洋経済新報社)掲載された情報によると、1880(明治13)年の時点で日本の人口は35,925,313人でした。

現在よりも、はるかに少ない数ですね。その中で、男女計の人口(本籍人口)を多い順に道府県別に並べると以下のようになります。

  • 石川県(大石川県):1,833,778人
  • 神奈川県:1,757,462人
  • 新潟県:1,546,338人
  • 大阪府:1,540,071人
  • 愛媛県:1,438,895人

1位の石川県、5位の愛媛県は特に、意外ではないでしょうか。このランキングも、1888(明治21)年の段階では、「大石川県」から富山、福井が独立して分割された後になるため、石川県のランキングは一気に下がっています。

1920(大正9)年に行われた第1回国勢調査では、人口の多い都道府県ランキングは次のようになっています。

  • 東京府:3,699,428人
  • 大阪府:2,587,847人
  • 北海道:2,359,183人
  • 兵庫県:2,301,799人
  • 福岡県:2,188,249人

北海道が上位に食い込んでいる理由は、1920(大正9)年にピークを迎えた北海道開拓の影響ですね。この段階で、石川県の人口は828,810人です。もはや、上位との差は圧倒的です。

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ただ仮に、富山と福井を合算して「大石川県」として考えた場合、2,324,913人とランキング上位にくらいついています。

県土の広さゆえに、県内各地の政治課題がなかなか解決に向かわなかったという理由から、越中(旧・新川県)の地域も富山県として石川県から独立を望んだ背景があるのですが、「大石川県」を細かく分割する以前は、ある種の存在感をこの地域は持っていたのかもしれませんね。

次の北陸旅行の際には、この地域がかつて、県境のめまぐるしい変更を受けた地域であり、「大石川県」だった時代は、府県別の人口ランキングで1位の時期もあったと知っておくと、ちょっと見え方が深まるかもしれませんよ。


 

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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