日本人が知らない穴場「ミニ国家」。アンドラ&リヒテンシュタインの旅
世界には観光地として有名で大勢の人が「訪れてみたい!」と思うような国がある一方、ひっそりと存在しているいわば“穴場”な国も多数あります。ヨーロッパと聞いて思い浮かぶのは、日本政府観光局が2017年に発表した「世界各国・地域への外国人訪問者数ランキング」で1位2位となったフランスやスペイン、美食の国イタリアなどではないでしょうか。
しかし、大陸続きのヨーロッパには、実は私たち日本人があまり訪れない、小さな小さな国がいくつかあります。ネット上や旅好きの間では「ミニ国家」と呼ばれるこの小さな国々は、なんとなく世界地図を眺めているだけでは見落としてしまうほどの大きさで、多くは両隣の大国に国の自衛や政治を委ねています。今回はそんなミニ国家を2つご紹介して行きます。
ミニ国家その1 「アンドラ公国」
まず、ヨーロッパの地図を広げてみてください。スペイン、バルセロナ近くの国境付近とフランスの間をよーく見てみると、「アンドラ公国」という小さな国を見つけることができます。ピレネー山脈の東部に位置する内陸国で、冬の5ヶ月間は雪に覆われる、通称「アンドラ」、一年間に訪れる日本人の数はたった数千人という、まさに「日本人が行かない」穴場の国です。
しかしフランスやスペインからの観光客は多く、冬にはスキーリゾートが、そして夏にはハイキングやトレッキングを楽しめる、自然あふれる国でもあります。
筆者はスペインのバルセロナから、バスでアンドラの首都である“Andorra la Vella”(アンドラ・ラ・ベリャ)へ入りました。アンドラには空港がなく、電車もそのほかのヨーロッパの国のように繋がっていません。
バルセロナのEstacion Nord(北バスターミナル)から日に何本か直行便のバスが出ているので、それに乗って向かいました。アンドラへのバスは本数が多くなく、私が乗った時はアンドラの学生さんたちがたくさん乗っていて完売状態になっていたので、早めに予約しておくことをおすすめします。3時間ほどでアンドラ・ラ・ベリャのバスターミナルに到着です。
アンドラで一番大きなバスターミナルですが、カフェテリアがひとつとその隣に窓口があるくらいで小さな小さな駅です。それでも、なんだかおしゃれな雰囲気。
バスターミナルの隣に広大な駐車場があり、そこからピレネー山脈の大パノラマが広がっていました。 実はアンドラ、2011年までタックス・ヘイヴンの国で、いまでもショッピングが国の重要な収入源となっています。
街の中心には一流ブランドの路面店が立ち並び、日本よりはるかに安いお値段でお買い物ができます。スペインやフランスからも週末になるとお買い物に訪れる人がたくさんいるようです。
街自体はこぢんまりとして、徒歩で十分に見て回れます。季節が合えばスキーやトレッキングなどの施設にも行ってみたいですが、今回は街歩き。のんびりした雰囲気の街中で、毎週行われる蚤の市に出会いました。
ヴィンテージ感あふれる小物類がたくさん売られていました。街の方が開いているので、店番をしているおばさまたちとのやりとりも楽しい!ちなみに、アジア系の観光客はあまり見かけませんでした。
スペインやフランスとは違い、田舎のかわいい街という雰囲気が漂うアンドラ。街のあちこちに素敵なモニュメントが点在しています。入り組んだ小道を抜けると、小さな公園に出会ったりします。決して派手さはありませんが、ヨーロッパらしい雰囲気の残るアンドラ、ぜひ訪れてみてください。