フランスのリゾート地「レユニオン島」で出会ったスパイシーな郷土料理
インド洋上に浮かぶ南半球の小島・レユニオン島。この島の魅力的な観光スポットを紹介した以前の記事に続き、今回取り上げるのはこの地に伝わる「レユニオン料理」の数々です。世界中の様々な地域からの影響を受け、多国籍料理の先駆けともいわれるレユニオン料理。それらのなかから現地の事情に詳しいHaruさんが選んだオススメの5品とは?
「レユニオン料理」とは?
インド洋に浮かぶ小さな島レユニオン島は、モーリシャスとマダガスカルの間に位置するフランスの海外県。自然豊かな島のため「フランス版ハワイ」なんて言われていたりします。今日は、そんな魅力あふれるレユニオン島の伝統料理をご紹介します。
レユニオン料理の起源は、相次いでこの島にやってきた移民たち。フランス料理はもちろんのこと、マダガスカル料理、インド料理、東アフリカ料理、果ては中華料理の影響も色濃く残しており、香辛料をふんだんに使ったスパイシーな味わいが大きな特徴です。
またレユニオン島は多宗教国家のため、お店によっては鶏肉しか扱っていないお店があったり、ハラールに認定された食材しか置いていないレストランなどもみられるのも、この島ならではと言えるでしょう。
1.ルガイユ・ソシス
レユニオン島の伝統料理の一つである「ルガイユ・ソシス」。トマトをベースに、青唐辛子のような香辛料を加えて作り、お好みによって白米と合わせて食べる料理です。
「ルガイユ」とはトマト、「ソシス」というのはソーセージのことなので、ソーセージのトマト煮込みといった趣きでしょうか。
ちなみにルガイユには色々な種類があり、鱈の身をほぐして煮込んだ「ルガイユ・モリュ」、エビが入った「ルガイユ・シュラキン」といったものもあります。
2.カリー・プレ
こちらはレユニオン島風のカレーですが、日本のカレーようなドロッとしているルーではなく、チキンにハーブやターメリックなどのいくつかのスパイスを入れ、大きな鍋でひと煮込みしたものです。
カレーなので、もちろんご飯と一緒に食べられますが、レユニオン島のお米は日本とは少し違います。「バスマティ」と呼ばれ、タイ米よりも細長てパサパサしているインド米が主流です。
こちらも入っているお肉によって呼び方が変わり、鶏肉入りの「カリー・プレ」以外にも、「カリー・ポワソン」と呼ばれる魚入りレユニオン島風カレー、また「カリー・ロングスト」という伊勢海老が入ったものもあり、現地の人たちに大人気です。
3.サモサ/ボンボン・ピーモン
「サモサ」というのは、春巻きの皮の中に具を包んで三角の形にして揚げた、おつまみのような料理です。
具はチーズや鶏肉、なかには焼豚が入ったものもあり、現地では簡単につまめるスナックとして人気があります。
レユニオン島のおつまみといえば、白い大きなお豆をすりつぶし、そこに唐辛子などの香辛料を入れて揚げた「ボンボン・ピーモン」も欠かせません。少しスパイシーなので子供に人気というよりはお酒好きな大人に人気の食べ物です。
4.アメリカン・ブション
レユニオン島でよく食べられる「アメリカン・ブション」というのは、いわゆるサンドイッチのこと。「中に入っているものがアメリカンな感じなのかな?」と思いきや、なんと入っているのはチーズ・ポテト・焼売なんです。
「え? 焼売?」と思った方。私も最初はそう思いました。ですが、意外にこの組み合わせ美味しくて、ハマってしまします。ぜひ現地に来て食べて欲しいのですが、日本にある食材でもできるので、気になる方はぜひ試してみてください。
5.シヴェ・ド・ズリット
最後にご紹介する「シヴェ・ド・ズリット」とは、日本語にすると「子ダコのワイン煮」。トマトとタメネギとワイン、そしてターメリックなどのスパイスを何種類か入れて煮込んだ名物料理です。
シヴェ・ド・ズリットを頼むと、必ずと言っていいほど付け合わせでついてくるのが、上の写真にも写っているレンズ豆を煮込んだソース。
ちなみに写真の一番奥に映っているのは、豚肉とじゃがいもとレユニオン島で取れるスパイスを混ぜて焼き上げた「ブカネ・ポムデテア」と呼ばれる料理です。
おわりに
あっさりとした日本食とは異なり、スパイスが効いた料理が多いのが特徴のレユニオン島の料理。この他にも、暑いレユニオン島ならではの料理がたくさんあります。
レユニオン島での食事は、日本の食卓のように小鉢に一品ずつ、一人一つずつ料理が出されるのではなく、大鍋に入ったご飯や主菜がいくつかテーブルに並べられ、それを各自大きめのお皿によそって、自分だけのワンプレートを作っていくというスタイルです。みなさんもレユニオン島に訪れる機会があれば、ここでしか食べられない料理の数々を、みんなでワイワイ囲みながら楽しんでみてはいかがでしょうか。