なぜ神社ではかしわ手、お寺では合掌?お正月の恒例行事に隠された謎
なぜ、神社では「かしわ手」を打つの?
神社に参拝する際、かしわ手を打つかと思います。このかしわ手、一体どのようないわれがあるのでしょうか。
その由来は、あの有名な歴史書『魏志倭人伝』にも見て取れるといいます。
日本の古代史に関する最古の史料『魏志倭人伝』には、日本人が昔、貴人に対して手を打って感動や敬意を示していた様子が、記録されているといいます。その意味として、
<武器を持っていませんよ、戦う悪意はありませんよ、ということを相手に知らせるためだったともいわれています>(『にほんのおまじない』(徳間書店)より引用)
といった背景があった様子。
その貴人に対する仕草が、次第に神様だけに限定されていき、手をたたき空気を振動させて、神を呼び起こす意味を持ち始めたのですね。
この手をたたく回数、出雲大社東京分祠によれば、かつては全国各地でばらばらだったのだとか。今の常識となっている二拍手に統一された時期は、明治初期ごろとされています。
一方で明治よりもはるか前から存在している神社については、伝統として二拍手以外の形式を残している場合があり、伊勢神宮(三重)では神職が八拍手、宇佐神宮(大分)では四拍手、出雲大社(島根)では四拍手を行います。
当然ですが、手をたたく回数が多ければ、心を込めて丁重に拝むという意味にも解釈できます。格式の高い神社においては、明治以前は拍手の回数を多くしていたなどとも、考えられるみたいですね。
ちなみに「かしわ手」の漢字、広く流通する出版物などにも誤って「柏手」と書かれている例を見かけますが、木偏ではなく手偏の「拍手」が正解。
『漢字源』(学研教育出版)を見ても、手を打ち鳴らすのですから手偏が正解だと書かれています。新年の雑談として、覚えておきたいですね。
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