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日本一小さな村の「村おこし」。日本一の貸し出し数を誇る図書館の魅力とは

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2021/02/20

駅を利用した人がふらっと立ち寄る図書館

image by:Masayoshi Sakamoto

筆者が訪れた日は、週末の土曜日。テーブル席では勉強をしている若者も目立ち、年配の人は新聞を読んで過ごしています。

この辺りの光景はどこの公立図書館も同じなのですが、舟橋村の村立図書館に見られる珍しい光景は、やはり通勤通学で駅を利用した人が出入りする姿です。

筆者は駅前で写真撮影などをしながら、富山地方鉄道の越中舟橋駅に上りと下り、2本の電車がホームに停車する様子を眺めていました。

図書館専用の駐車場 image by:Masayoshi Sakamoto

越中舟橋駅はパーク&ライドの駐車場が、駅前にたっぷり用意されています。村内はもちろん、近隣の村外からも車で駅前まで来て通勤や通学に利用する人が多くいます。

そうした人たちが、事前に聞いていた通り、駅で電車に乗り降りする際にふらっと図書館に立ち寄っていきました。この使い方は、確かにちょっとうらやましいかもしれません。

福井大学大学院工学研究科が実施した「パーク&ライド駐車場を併設した図書館合築駅の利用実態調査」によれば、土曜・日曜に駐車場を利用した人のなんと80%が、図書館をついでに利用していくといいます。

越中舟橋駅の駅前の様子 image by:Masayoshi Sakamoto

平日については、さすがに忙しいからでしょうか、その割合は55%まで下がります。しかし、半数が立ち寄っていくわけですからものすごい利用率ですよね。

文部科学省によると、舟橋村が無料のパークアンドライド用の駐車場を設置し、駅舎と図書館を併設した結果、舟橋駅の乗客数自体が増加。さらに無人駅が駅員常駐の駅となり、電車の本数まで増えたといいます。

舟橋図書館の入り口にある看板 image by:Masayoshi Sakamoto

しかも、近隣にある上市・立山町からも電車通勤・通学をする人が利用するようになり、図書館については閉館時間ぎりぎりまで、利用者が訪れるようになったのだとか。


まさに、「駅舎×図書館」という意外な取り合わせが、文部科学省のいう「多面的相乗効果」を生んだのですね。

館内を見れば、文部科学省を始め、地元紙、全国紙など、さまざまな方面から舟橋村の図書館は表彰されています。他の自治体からも視察が訪れるほど。そして同じ駅舎には、地元のお米を使った軽食を食べさせてくれるお店も入居しています。

富山市に観光に訪れた際に、電車に乗って舟橋村の図書館に訪れ、その飲食店でランチを食べるというサイドトリップの楽しみかたも、新な魅力を発見できるきっかけになるかもしれませんね。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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