死者と共に暮らす。海外では当たり前だけど日本では考えられないこと
赤ちゃんを高さ9mから投げる/インド
世界的な大スターのマイケル・ジャクソンさんが生前、ドイツの首都ベルリンにある高級ホテルで滞在していたとき、報道陣に見せようと生後9カ月の子どもを抱きかかえたままバルコニーの手すりの外に出した出来事がありました。批判が殺到し、マイケル・ジャクソンさん本人も謝罪のコメントを出しました。
そのニュースを見た当時、筆者はまだ学生でいまいちピンときませんでしたが、親になったいまから思えば、確かに危険な行為だったと感じます。
しかし日本人どころか世界の人がハラハラして気を失いそうになるような伝統を持つ(持っていた)国が世界にはあります。
西ガーツ山脈がアラビア海に面して南北に連なるインド南部のカルナータカ州の村部では奇祭として、ヒンドゥー教の寺院から生後間もない赤ちゃんを投げる習慣がありました。
一部の情報には50フィート(15m)くらいの高さから投げると書かれています。京都にある清水寺の舞台の高さ以上になりますので、さすがに誇張だと思いますが、AFP通信(フランス)の報道では9mとされています。いずれにせよ信じがたい高さですよね。
押し寄せた群衆が布を下で広げ、歌い、踊りながら落下する新生児を確かにキャッチするそうです。この儀式を通過した子どもは幸運に恵まれると信じられ、地元では数百年も続けられてきた行事になります。
この奇祭に2009(平成21)年、カルナータカ州の当局から禁止の方向性が示されました。子どもの権利保護のための全国委員会によっても介入が行われているとの話。
米ニューヨークタイムズの報道によれば、奇祭に関する報告は2009年以降、地元の警察も受けていないそうです。表向きは大規模な祭りが行われなくなったみたいですね。
しかしいまだに一部の地域で行われる小規模な儀式を目撃した人が米ニューヨークタイムズの取材に応じていて、寺院の関係者が群衆の広げる布に新生児を投げ、その様子を若いカップルが心配そうに眺めていたみたいです。