女性の自転車姿が卑猥だった?100年前までは非常識だった現代の日本の常識

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2023/06/07

かつて誰も食べなかった「トマト」

image by:Unsplash

最後は、「トマト」についてです。トマトといえば、食用の赤い野菜を誰もが思い浮かべると思います。小学生の時代には学校で育てた経験もあるのではないでしょうか。

しかし、あのおいしいトマト、100年近く前はほぼ誰も食べていなかったとご存じでしょうか。

小学館『日本大百科全書』によると、日本の長崎にトマトが最初に入ってきた時期は、17世紀初めの江戸時代みたいです。当時、食用としてではなく観賞用として扱われていました。

明治初年には、欧米から品種が導入され、食用としての試作が始まります。

しかし、独特の臭みが嫌われ普及に失敗。明治の後期から大正時代に入って北海道と愛知県などで栽培されたものの多くの人が食べる野菜にはならなかったみたいです。

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一般家庭に普及する時期は、昭和の初期から第二次世界大戦後を待たなければいけません。普及の背景には、アメリカ品種のトマトの存在が挙げられるそう。

明治時代から大正時代に普及が試みられたトマトは、北ヨーロッパの品種で酸味も香りも強かったといいます。

しかし、昭和になってから日本に入ってきたトマトはアメリカの品種が主流で、香りも酸味も穏やかな味わいが、日本人の好みにマッチしたみたいです。

要するに、日本人の大部分がトマトを日常的に食べるようになってから100年も経過していないのですね。


このように身近な食べ物でも100年前には食べられなかったり、常識が非常識だったときもあったようです。

もちろん、まだまだ類似の話はたくさんあります。皆さんも、身の回りの物事が100年前はどう扱われていたのかを調べてみてはいかがでしょうか。世の中の見え方がぐっと深まる、いいきっかけになるはずですよ。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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