区切るのそこかよ…間違えやすい世界のカタカナ地名【クイズ】
中級編:エルサルバドル
次は、エルサルバドルです。今から25年以上前の話、フジテレビ系の『バージンロード』というテレビドラマで、主演の反町隆史さんが「俺は、エルサルバドルに行く」みたいなせりふを言い、当時高校生だった筆者は「かっこいいー。でも、エルサルバドルってどこ?」と思った記憶があります。
エルサルバドルとは中南米の国。グアテマラやホンジュラスに隣接した国で、コーヒーの産地としても知られています。1525(大永5)年にスペイン人が入植した歴史があるためスペイン語が公用語となります。
少なくとも、高校生のころの筆者はこの国を「エルサル・バドル」と勝手に認識していましたし、ちょっと前までも同じだったと思います。
アルファベットでこの国の名前を表記すると「El Salvador」になります。答えは「エル・サルバドル」。意味は、スペイン語で「救世主」になるのだとか。
先ほども書いたように、スペイン軍が16世紀にこの地方を占領した時、とりでを築きました。そのとりでを「サン・サルバドル(聖なる救世主)」と命名したそう。
その後、スペインから同国が独立する際、「サン」をスペイン語の定冠詞「エル」に置き換え「エル・サルバドル」になったとされています。定冠詞とは、英語でいう「the」みたいな言葉ですね。
ちなみに、スペイン生まれの米画家サルバドル・ダリも同じ「Salvador」です。
上級編:プエルトリコ
最後は、プエルトリコです。この地名には、どのように区切りを入れると思いますか?筆者は勝手に「プエル・トリコ」だと思っていました。
このプエルトリコはそもそもどんな場所でしょう。カリブ海の北東部に浮かぶ西インド諸島の1つで、島の北部は大西洋に面しています。大きな誤解として、国ではありません。米自治領(コモンウェルズ)であり、アメリカの自由連合州です。
プエルトリコの人たちはアメリカの市民権を持ち、アメリカへ自由に行き来できます。仕事を求めて、アメリカ移住する人も多いです。
外交や防衛権についてもアメリカに任せています。しかし、大統領選や上院・下院の議員選挙での選挙権を持ちません。
そんなプエルトリコ、どこで区切ればいいのでしょうか。ワールドベースボールクラシックでは日本代表チームと対戦経験もあるため地名はご存じのはず。
アルファベットで表記すると「Puerto Rico」です。答えは「プエルト・リコ」なのですね。意味は「富める港」です。「Puerto」が「港」、「Rico」が「裕福な」という意味になります。
いずれもスペイン語ですが、アメリカ領として編入される前はスペイン領だったため、スペイン語由来の地名となっています。
以上、区切りを誤解している可能性の高い地名を5つ紹介しました。何問正解できましたか?
言葉や歴史の勉強にもなるはずですので、日ごろ見聞きする地名の区切りが違っていると分かったら、その言葉の成り立ちを皆さんも調べてみてはいかがですか。
【参考】
- コタキナバル/ マレーシア – NHK
- エルサルバドル共和国 Republic of El Salvador – 東京都立図書館
- プエルトリコにつく「自治領」とは? – 日本共産党
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