江戸情緒あふれる、いまもなお美しい日本海の「北前船」寄港地5選
新型コロナウイルスの感染拡大で、なかなか外出ができない。そんないまだからこそ、ちょっと遠くの場所に思いをはせて、少し気分転換をしてみてはいかがでしょうか。
そこで今回は、かつて日本の物流を支えた北前船(きたまえぶね)の寄港地や船主集落のなかから、筆者が個人的に訪れて印象深かったスポットを中心に、春の港の散策スポットを選んでみました。
※本記事は現段階でのお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内情報および各施設などの公式発表をご確認ください。
小浜(福井)と宮津(京都)
そもそも北前船とは、大阪を出て日本海側の港をいくつも中継し、下関を経由して大阪へ戻りながら物資を運ぶ船をいいます。後に航路は北海道まで延長されました。
もちろん、北海道からの帰り道はその土地の荷を満載にして、日本海沿岸の港を転々としながら大阪を目指します。江戸期を中心に日本の物流を支えた海運ルートで、当然その寄港地には莫大な富がもたらされたのです。
そのため日本海側を旅していると、北前船の寄港地や船主集落という言葉を見かけます。令和になったいまではさすがに往時の繁栄は過ぎ去り、港の商いも停止している場所がほとんどですが、歴史や文化の痕跡は十分に感じられる場所ばかりです。
そして京都の宮津は、かの有名な天橋立のある場所です。日本三景のひとつを見に出かけた際には、宮津にある新浜のまち並みも、ぜひとも眺めにでかけたいもの。
かつて花街としてにぎわった雰囲気が残っていて、昭和に盛んだったのであろうスナックが入居する路地裏も見応えがあります。
一方で福井県の小浜も、若狭湾の起点として大いににぎわった歴史があります。そもそも若狭湾とは、山陰から北陸に向かって続く日本海の海岸が、陥没したようにぐっと陸地の方に入り込んだ大きな湾です。
湾のなかにはさらに小さな半島がいくつも海に突き出していて、小浜は大島半島と内外海半島に囲まれている浜にあるため、波の穏やかな天然の良港なのです。
当然、船の出入りは多く、往時は大変なにぎわいだったとか。その名残として、港の近くには三丁町と呼ばれる茶屋街が残っています。この辺りはその数130以上とも言われるお寺も目立ち、散策には最適です。
また同所は、過去にTRiP EDiTORでも取り上げた人魚伝説が残る地。さらに国道27号から滋賀県の方を目指せば、新たなまちづくりの担い手がユニークな活動を行う熊川宿もあります。
宮津に負けない魅力があるので、ぜひとも季節のいい時期に訪れてみてくださいね。
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