実は海外で使える日本語。中国に逆輸入された「漢字」5選
失恋
「失恋」も実は西洋の言葉を翻訳する際に日本で生まれ、その後で中国に逆輸入されたと『漢語外来詞詞典』で示されています。
失恋という言葉自体がいつ生まれたのかについては、清地ゆき子著『日中語彙交流における近代訳語の受容と変容 : 民国期の恋愛用語を中心に』が詳しいでしょう。
<1890 年代後半から1900年代初めに、西洋文学の翻案や翻訳、創作の過程で創出されたのではないかと推察する>(上述の論文より引用)
それまでには中国の書物にも出典が見られず、20世紀初めまでの英中(英華)・中英(華英)辞典などにも収録は見られないといいます。
ちなみに失恋を英語でいうと、さまざまな表現があります。「broken heart」だとか、「unrequited love」だとか。しかし、どうしてこれらが失恋と翻訳されたのでしょうか。
「unrequited」は「報われない、一方的な」といった意味の英単語なので、「失」という言葉が、なかなか出てこないような気もします。
恐らく筆者の予想では、「be disappointed in love」という英語表現から訳語がつくられたのではないかと考えています。この「disappointed(失望する)」と「love(恋心)」を組み合わせて、「失恋」としたのではないか。
あくまでも筆者の仮説ですが、いずれにせよ失恋という言葉は日本で生まれ、中国に逆輸入されて、現地では以下のように発音されます。
発音は「shi→」「lian↓」ですね。日本の音読み「シツ」「レン」にも通じていますから、覚えやすいですね。
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