それ、Hな言葉かも…日本人が海外でいいそうな「NGワード」
その結果/イタリア語
次は「イタリア語」で注意したい単語について。筆者は大学生のときに、一瞬だけイタリア語を学んだ時期があります。大学に講演に来たパンツェッタ・ジローラモさんの話を聞いた直後に、イタリア語を勉強したくなったわけです。
その際、いくつか例文を覚えました。いまでも覚えている文章といえば、「Sono di Nagano.(私は長野出身です)」です。別に筆者は長野出身でもなんでもないですが、言葉の響きが覚えやすく頭に残っています。
この「Sono」という言葉、『伊和中辞典』(小学館)を調べると、原型は「essere」だと分かります。
英語でいえば「be動詞」。そもそも「esse」とはラテン語で「~である」という根源的な意味を持ち、英語では「essence(エッセンス)」「essential(エッセンシャル)」にも表れています。
「be動詞」と同じという点からも分かるように、「am」「are」「is」のように、主語によって変化をします。
イタリア語の場合は、「sono」「sei」「e(正しくはグレイヴアクセントが付きます)」「siamo」「siete」などと変化し、主語が「私」の場合は「sono(ソノ)」が来ると決まっています。
逆に「sono」が来れば主語は「io(私)」だと分かるため、多くの場合で省略するのですね。
結果として、「その結果」という日本語は、「(Io) sono ケッカ」と聞こえる話になります。先ほどの『イタリア語辞典』を調べると、「ケッカ」という音で「checca」が出ています。調べると女性名詞で、「(女役の)男性同性愛者」と書かれています。
なかなかイタリア人を前にして、「その結果」という言葉をつかう文脈は考えられませんが、片言の日本語が話せるイタリア人に日本の歴史を聞かれて、「その結果、日本は鎖国を終わらせた」などというシーンがあるかもしれません。
必死に日本語を理解しようと耳を傾けていたイタリア人が、「その結果」の部分だけ偶然の響きに驚いてしまうかもしれませんが、これは大変失礼な言葉です。相手が誤解を覚える前に、日本語の意味を正確に伝えたいですね。