能登七尾湾、癒しの絶景。石川県の観光列車「のと里山里海号」
日本には各地に観光列車が走っています。筆者も仕事柄多くの観光列車に乗っていますし、TRiP EDiTORでも過去に「海も山もグルメもワガママに楽しむ、富山の観光列車「べるもんた」」で富山の観光列車を取り上げました。
そうした過去の体験から考えてみても、かなりクオリティが高いと感じる観光列車が、石川県を走っています。そのひとつが「のと里山里海号」です。とても素敵な観光列車ですので、能登半島に遊びに出かけたら、ぜひ旅のプログラムに乗車を入れてみてください。
七尾湾を一望できる観光列車「のと里山里海号」
能登半島は石川県と富山県の間に位置していて、日本海側で最も大きな半島です。西岸(外浦)と東岸(内浦)では全く表情が異なり、西側(外浦)は奇岩や絶壁の連続する険しい海岸線が連続しています。一方で東側(内浦)は穏やかな砂浜や海岸線が続きます。
「のと里山里海号」はその東側(内浦)を走る私鉄「のと鉄道」(石川県)が走らせている観光列車で、穴水駅から七尾駅までの距離約33.1kmの大半が、穏やかな七尾湾に面しています。
七尾湾は波が穏やかな半島の東側(内浦)に位置しているだけでなく、海から奥まった湾の中央に能登島が「ふた」のように浮かんでいます。しかも「のと里山里号」は、その七尾湾の中でも七尾北湾、七尾西湾と最も奥に位置するため、水面は湖のように穏やかです。
海岸の景色も優しく平和な印象を帯びていて、海岸沿いに暮らす人々の雰囲気も、静かな海を毎日眺めているせいか、落ち着いている気がします。
先日も、「のと里山里海号」の終着駅(始発駅)穴水駅で、地元の高校生の男女と話す機会がありました。会話の途中で2人と目を合わせるたび、なぎの七尾湾のように穏やかな輝きが、瞳に確かに見て取れました。
内海に面した半島の港町で育つ2人のドラマティックな人生を少しうらやんでしまうほど、深みのあるオーラも感じました。