日中韓で意外と違う!?カルチャーショックを受けた各国の「当たり前」
かつて「質素」が求められた韓国の結婚式
最後はお隣の韓国の結婚式です。中国と台湾、日本との違いについていえば、結婚式において好まれる色が違います。
中国と台湾では赤が好まれ、白無垢(むく)に代表されるように日本では白が好まれます。韓国では、赤色と青色が好まれます。
<陰陽に基づき、赤(陽)と青(陰)の二色は現代も婚礼のいたるところにみられる>(日韓の婚礼文化比較-韓国のブライダル市場の現状-より引用)
日本・中国・台湾と韓国の類似点でいえば、伝統的な結婚式における親迎の存在です。
中国や台湾の六礼(先ほど紹介した6つのステップ)にあたる「四礼」が韓国には伝統的に存在し、そのなかには親迎もあったみたいです。
しかし現代の韓国では、親迎を含む伝統的な儀式が1970年代以降に見られなくなりました。以後は、かなりカジュアルな結婚式が一般に行われています。その背景には、1974(昭和49)年に罰則をもって公布された家庭儀礼準則の決定的な影響があるのだとか。
家庭儀礼準則とは、韓国政府から示された婚葬祭に関するルールです。
盛大な結婚式が挙げられなくなった
時のリーダーである朴正熙(パクチョンヒ)軍事政権による近代化プロジェクトの一環としてスタートし、伝統的な結婚に絡む面倒な段取りが全て否定されました。これら一連の運動を「セマウル運動」と呼ぶみたいです。
<(セマウル(saemaul)は「新しい村」の意)韓国で、1970年代朴正熙大統領の指示により推進された農村近代化運動。のち都市にも波及>(岩波書店『広辞苑』より引用)
国民の暮らしのなかから伝統的な「無駄」を省く近代化の過程では、午後3時以降の婚礼が禁止されたり、結婚式場やホテルでの結婚式で食事の提供が禁止されたりして、盛大な結婚式が挙げられなくなっていきます。
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