一体なぜ?絶対に持ち主にはなってはいけない、呪われた「屋敷&宝石」
コ・イ・ヌール・ダイヤモンド
次も、ダイヤモンドの話。ヒンドゥー語で「光の山」を意味するらしい「コ・イ・ヌール・ダイヤモンド」です。
約105カラット(1カラットは200ミリグラム)もあるこの世界最大級のダイヤモンドは現在、先ほど話に出てきたロンドン塔に展示されています。
もともとは、先に亡くなったエリザベス女王(エリザベス2世)の祖父母の祖母にあたるヴィクトリア女王の時代に、東インド会社(東洋貿易を独占する会社)が植民地だったインドで獲得し、ヴィクトリア女王に「寄贈」したという歴史が知られています。
ヴィクトリア女王は、ヴェルサイユ宮殿で行われたナポレオン3世の舞踏会などで着用してきましたが、男性に不幸をもたらすという言い伝えが当時から存在したらしく、イギリスの王族の女性以外は着用してはならないとヴィクトリア女王自身が決めたそうです。
その後、時代は下って、現在のチャールズ国王(チャールズ3世)の祖母で、亡くなったエリザベス女王(エリザベス2世)の母親である「クイーン・マザー」と呼ばれたエリザベス・ボーズ・ライアン王妃は、このコ・イ・ヌール・ダイヤモンドが装着された冠を着用しました。
しかし、「クイーン・マザー」が亡くなった後はロンドン塔の展示室に入り、誰も着用しなくなります。先ごろ亡くなったエリザベス女王(エリザベス2世)も、コ・イ・ヌールを装着した王冠を避けてきたそうです。
その背景には、インドからイギリスに渡るまでの数百年間、ムガル帝国(インドにおける最後のイスラム帝国)から始まってシク王国(インド北西部のシク教の王朝)に至るまで、数々の統治者の手を転々としてきた歴史があります。
シク王国と東インド会社の戦争があり、シク王国最後の君主から東インド会社が奪った形になっているため、このダイヤモンドは、インドとイギリスの紛争の問題にもなっているのですね。
インドからすれば奪われた富であり、イギリスに支配されていた時代の象徴でもあります。
1947(昭和22)年に、イギリスの植民地からインドが独立すると、イギリスに返還を求めました。
イギリス王室のなかにも、入手経路を気にする向きがある様子。そのため、2002(平成14)年の「クイーン・マザー」の葬儀後、ロンドン塔の展示室に展示されたままで、コ・イ・ヌールはお目見えしていません。
チャーズル皇太子(当時・現国王)の戴冠式に妻のカミラ王妃が着用するかもしれないと噂されましたが、国際問題を避け、コ・イ・ヌールは使われませんでした。
イギリス旅行でロンドン塔を訪れた際には、この伝説のダイヤモンドも見学しておきたいですね。
- 参考
- HISTORY – Winchester Mystery House
- Winchester Mystery House Historic Holidays – The Silicon Valley Voice
- Winchester Mystery House Celebrates 100th Anniversary – NBC
- ‘Damaged a generation of viewers, including me’: Joe Cornish on the most terrifying horror for kids – The Guardian
- The Ghost Hunters – 1975 BBC Borley Rectory Documentary
- On this day-February 27-The Irish News
- Borley Rectory: Engla – The Sunday Times
- Fire did not stop ghosts when England’s most haunted house Borley Rectory went up in flames – THE STORY OF THE TOWER OF LONDON – Historic Royal Palaces
- カミラ王妃が戴冠式で着用する冠が決定 過去の冠をエリザベス女王が愛したダイヤモンドでアップサイクル – ELLE
- カミラ英王妃、戴冠式でインドが返還求めるダイヤ使わず – REUTERS
- 英国王に代々伝わる、王冠にはめ込まれた「呪われたダイヤ」とは? – FIGARO
- コ・イ・ヌール 美しきダイヤモンドの血塗られた歴史 ウィリアム・ダルリンプル、アニタ・アナンド著…東京創元社 2700円 – 読売新聞
- ホープ・ダイヤモンド – デジタル岡山大百科
- 事実は“映画”より奇なり?実在の呪われた館「ウィンチェスターハウス」を大解説 – FILMAGA
- エドワード王の息子たち-ドラローシュ,ポール
- 「監獄から玉座へ」英女王の壮絶人生 – 日本経済新聞社 Nブランドスタジオ
- ダイヤモンドを愛しぬく エヴァリン・マクリーンの場合-エタニティ
- エリザベス皇太后の王冠に輝く世界最古のダイヤモンド、”コ・イ・ヌール”とは – 婦人画報
- THE WORLD’S MOST FAMOUS JEWEL COLLECTION-Historic Royal Palaces
- image by:See page for author, Public domain, via Wikimedia Commons
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